7月18日 国交省が環境影響評価書への意見書公表
本日、リニア新幹線計画に関し太田昭宏国交大臣意見が提出されました。JR東海はこの意見を受け、評価書を修正し、正式な工事認可を申請します。
ざっと見ると、今回の国公大臣意見は、
①概ね、環境大臣意見(6月5日)を踏襲したものである。
②地下水(河川への影響)、建設発生土置き場と処理、生態系への影響を中心に 対応を求めている。
③総論の最初に「住民に対する丁寧な説明」や「地方公共団体(自治体)との連 携が必要としている。
④希少猛禽類について、繁殖期・営巣期の工事回避を求めている。
問題点は、
①各論(1)は静岡県大井川上流部の残土置き場を念頭においたものとみられる が、環境大臣意見同様、計画の変更を求める各県知事意見に対し、具体的な措置を述べていない。
②知事意見に対し、JR東海は評価書の中で環境保全措置を上げているが、その 環境保全措置について突っ込んだ意見を出していない。
③大臣意見がJR東海が努力義務ではなく、計画を進める上で必要条件として受 けとめるかどうか。
④各論(5)で磁界について触れているが、リニアの磁界が「ICNIRIPの ガイドラインを下回っていることが確認されている」としたうえで、
丁寧な説明を求めているが、これでは、JR東海がこれまでの説明を繰り返すだけである。
⑤あれだけ問題になっている、採算性や地域の振興ということについては全く触れていない。国交大臣として責任を持って、国民の不安に対し答え注文を出すべきである。(リニア新幹線を考える東京神奈川連絡会 共同代表 天野捷一)